アトピー重症患者も期待できる新薬「デュピルマブ」日本では来年にも承認か
5月22日付の日本経済新聞朝刊にアトピーの重度の患者でも期待できる新薬「デュピルマブ」が掲載されていました。
アメリカでは「デュピルマブ」投与した患者の約4割に、大幅に症状が改善する試験結果が出ているそうです。
日本では来年に承認を目指しているとのことです。
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目次
元気でおります!ちょっとだけアトピー近況
ここ最近、こちらのブログは更新しておりませんが、決してアトピーが完治したわけではありません。
一時は重度のアトピーで入院と言われましたが、現在は中程度まで落ち着き、人生を楽しんでおります。
アトピーは気にしすぎてもよくないと思いますので、他のことに注意を向けていたらこちらの更新が疎かになってしまいました(^^;)
中程度だって痒いものは痒いんですけど、重度に比べればマシということです。
そして、服で隠せる程度になったということも大きいかと思います。
わたし、本当に頑張りました……!
中程度と重度はね、本当に痒みレベルが違いすぎます……。
重度は本当にきついんです……人生諦めたくなるほどです……。
患部を掻いていて怒られているお子さんを街でたまにみかけると、わたしが泣きそうになります。
だって、我慢できないレベルだから掻いているんですよ……。
掻けない辛さは、多分重度になったことがないと想像もつかないと思います。
自分がどのアトピーのレベルなのか、そのあたりはちゃんと医師の診察を受けて症状を判断してもらうことをおすすめします。
わたしは重度を中程度だと思い込んで勘違いしていたタイプなので……今から考えると自己判断は大変危険です。
わたしも文句を言いつつ、嫌だと何度もこちらで書いてきましたが、いまだに大学病院には通っています。
そして、わたしの現在の症状について最近よくお問い合わせをいただく頻度が増えているので、近況もそろそろ書いていこうと思います。
さて今回は、先日ツイッターで流れてきた新薬情報です。
アトピーの元重症患者として、現在も治療中の中程度のアトピー患者として、重度のアトピーの治療で期待できるという新薬はかなり気になります。
新薬「デュピルマブ」は重度のアトピー治療に期待できる?日本では来年にも承認か
やはりアトピー関連はアメリカが進んでいますね。
患者の約4割で大幅に比較的症状の重い患者の症状が改善した新薬があるそうで、日本では来年あたりに認可がでそうとのことです。
期待を集めるのは、米国で3月に承認された新薬「デュピルマブ」。成分は体内の異物を攻撃する役割の物質「抗体」で、疾病にかかわる体内のたんぱく質「IL―4」と「IL―13」の受容体に結合して両者の働きを抑えることで、皮膚症状を改善する。
米国の臨床試験(治験)では、既存の治療が効かない中等症から重症の患者が対象にもかかわらず、皮膚症状が完全に消えたり、ほとんどなくなったりした患者が約4割に上った。日本医科大学付属病院皮膚科の佐伯秀久部長は「1種類単独でこんなに効く薬はこれまでなかった」と語る。
米国では新薬の承認までに通常1年かかる。この新薬はわずか6カ月で判断が下された。当局が「画期的治療薬」に指定し優先的に審査したからだ。成人向けで認可されており、小児の試験も計画中だという。日本では成人患者を対象に、企業が2月下旬に厚生労働省に承認申請をした。順調にいけば来年初めにも認められる見通しだ。(引用:アトピー新薬、重症改善に光 日本では来年にも承認 : NIKKEI STYLEより)
※時がすぎると情報が見られなくなってしまうので、引用しました。
新薬「デュピルマブ」は、ヒトモノクローナル抗体の一般名だそうです。
説明が難しくてちょっとわかりにくかったのですが、2つのタンパク質「IL-4」「IL-13」は、活性化するとアトピーによる炎症を促進してしまう中心的な役割をしていると考えられているようです。
この調子でいくと、日本での認可も早そうですね。
わたしは、中程度に落ち着いてしまったので、もし新薬がきても試すことはできないかも…な気もしますが、興味はあります。
新薬のデュピルマブは注射で投薬するようで、承認から1年後には専用の注射器で患者が自分で注射することで通院の頻度が減らせるそうです。
自分で注射……痛そうですが、他人にやってもらうと確か旧薬事法違反になりますからね(^^;)
それに注射となると、副作用の出方も気になるところです。
アトピー性皮膚炎の薬物治療は一般に、ステロイドとタクロリムスの外用薬を併用する。これらを患部に塗って炎症を抑える。ステロイド剤は強さで段階的に分かれており、症状によって使い分ける。重い場合などには飲み薬なども使う。
中等症以上の患者は約3割といわれる。症状は年齢とともに改善する傾向があるものの、ずっとおさまらない場合もある。特に外見の問題が大きいほか、かゆみによる睡眠障害なども生じやすく、社会生活に支障をきたすことが多い。(引用:アトピー新薬、重症改善に光 日本では来年にも承認 : NIKKEI STYLEより)
わたしもステロイドとタクロリムス(プロトピック)は大分使いましたし、飲み薬も処方されたことがあります。
一時的にアトピーが落ち着いたように見えても、またぶり返してくるし、あまりいいことはなかった気がします。
現在は薬を使わずに中程度まで症状を落としてきていますので、今の日本のアトピー治療って何なんだろうか…と思います。
それに、単なるアトピーと思われがちですけど、中程度や重度、それ以上になってくると、痒みで本当にまったく眠れない。
自律神経も影響しているのでしょうが、寝るのが大変なのですよね。
社会復帰するのにものすごく難しいですし、自分でいうのも何ですが重度だったときは見た目も本当に汚く、それでも仕事の展示会などで快く応対してくださった方々には今でも感謝の気持ちがあります。
……重度のアトピーで途絶えたご縁もありましたけど、もう気にしません……!
新しく出来たご縁を大切にしていきたいと思います^^
重症患者には免疫抑制剤「ネオーラル」などを使うこともある。だがこの薬の場合、症状は良くなるが腎臓への悪影響などが懸念されており、長期間使用するのが難しい。佐伯部長は「デュピルマブは今のところ目立つ重篤な副作用は出ていない。ネオーラルより安全に使える印象だ」と話す。ただ長期使用に伴う副作用はまだ判明していない。
わたしも重症患者でしたが、そういえば「ネオーラル」という薬は出たは一度もありませんでした。
それだけ腎臓への影響が半端ないということなのかも。
気になる金額は?
気になるのはコストだ。デュピルマブは細胞を培養して作る「バイオ医薬品」の一種で高額になる見通し。例えば炎症性の皮膚疾患のバイオ医薬品では、薬剤費が月15万円かかる例もある。これと同等の薬価になるとみられており、患者の自己負担は月数万円になる見込みだ。日本皮膚科学会はコストや効果、副作用を考慮してデュピルマブを適正に使用するための提言をまとめる検討を始めた。
札幌皮膚科クリニックの安部正敏副院長は「デュピルマブ以外にも有望視されているものが複数ある」という。国内では、中等症以上を対象にした新薬開発が相次いでいる。
新薬となるとまずお金が心配です。
「新薬ということは、金額がかなり高額になるのかな?」とそういう意味でも心配はありますよね……。
「バイオ医薬品」の扱いでは……(^^;)
わたしは子供の頃からのアトピーですので、入院保険等は治療をしても請求することはできません。
皮膚での治療は不担保なんですよね……。
高額療養費制度もありますけれど、成人で重度となると仕事もままならない。
そんな中で月数万程度と言っても、ちょっと不安がありますよね。
重度のアトピーのまま、どれくらいの人が仕事を両立できているのか、そのあたりも問題なのではないかと思います。
その他の新薬とプロアクティブ療法について
例えば日本たばこなどが開発中の「JTE―052」は塗り薬での承認を目指している。デュピルマブの次に開発が進んでいる。安部副院長は「塗り薬は全身に回る飲み薬や注射薬に比べて副作用の心配が少ない。処方する側にとって安心感がある」と言う。
中外製薬が臨床試験をしている「ネモリズマブ」は、かゆみを抑える効果が強いといわれている。皮膚をかくことで悪化するのを繰り返す患者に使いやすい可能性があるわけだ。ただ抗体医薬なのでデュピルマブと同様に高価になりそうだ。
まだまだ一般レベルでは治療に使われるのが先になりそうですが、一応新薬の開発は進んでいるのですね。
アトピー性皮膚炎の治療は、日本皮膚科学会などの診療ガイドラインに沿って進められる。その中で近年、有効な薬の使い方として登場したのが「プロアクティブ療法」だ。同学会は2016年、治ったと思っても繰り返し症状の出る皮疹に対して初めて推奨した。
この治療法は、症状が治まっても定期的にステロイド外用薬などを塗る方法だ。症状が再発する際は目に見えないレベルの炎症が起点となるが、その段階で炎症を抑えることで悪化を防ぐ。先制的な治療だ。安部副院長は「症状を抑えやすいと広まりつつあるが、まだ患者の約3割にしか浸透していない」と語る。
ステロイド、副腎皮質ホルモンは体内にあるものなので医師は大丈夫だと言いますが、やはり副作用は出ますよね……。
わたしの症状も副作用だと本人は思っています(ほとんどの医師は違うと言いますが……)。
多分もともとのアトピーが中程度なんだろうと。
軽度の人なら塗布の期間も少なく、ステロイド治療でもいいのかもしれないと思うのですが、中程度~重度ともなるとやはり長期間のステロイド薬の治療は不安が残ります。
プロアクティブ療法が浸透していないのではなく、わたしのようにステロイド薬に不信感のある人は知っていてもやらないだけなんだと思います。
医師と患者ではなぜこのように認識が違ってしまっているのか、なぜ認識のうまれている原因は何なのか、そのあたりも気になります。
ステロイドとプロトピックで悪化していると感じる患者側との認識のずれ、誰か解明してほしいところです。
アトピーは30歳代以下の約1割が罹患
アトピー性皮膚炎は、患者数の多い病気だ。国内では30歳代以下の約1割が罹患(りかん)しているといわれる。
例えば、厚生労働省の支援を受けた2000~02年実施の疫学調査では、生後4カ月から大学生までの有症率は、8.2~13.2%だった。約4万8000人を対象にした調査だ。また別の調査では20代は10.2%、30代は9%、40代は4.1%、50~60歳代は2.4%という報告もある。
厚労省の2016年の患者調査によると推計患者数は45万6000人。継続的に医療機関を受診している患者数を推計したものなので、疫学調査の数字より小さく出ているとみられる。年齢別では19歳までが36%、20~44歳が44%と多くを占めるが、45~69歳は16%あり、若年層だけの病気ではない。
症状の重さは大まかに、約7割が軽症、中等症が2割、重症以上が1割といわれている。「強いかゆみを伴う皮疹」が体表面積の10%以上にあれば重症となり、10%未満なら中等症、面積にかかわらず「軽度の皮疹」のみなら軽症と診断される。
年齢は難しいと思いますが、かかった年齢はわたしも幼少期ですけど、一時的によくなって再度悪化したケースはカウントされているのでしょうか?
思っているよりもアトピー患者は多いと思っています。
とりあえず、今はできることを頑張って、また情報を待つしかないですね。
新薬デュピルマブについては、以下のサイトもわかりやすいと思います。